はじめに

日本の伝統的な住宅では当たり前のように存在していた神棚。しかし、現代の住宅事情や生活様式の変化により、神棚を設置する家庭は減少傾向にあります。そんな中、私は最近、神社で買った御札の設置場所に悩んだことをきっかけに、自宅のリビングに神棚を設置しました。この記事では、神棚設置の経緯や選んだ商品、そして設置後の生活の変化についてお伝えします。

神棚設置のきっかけ

きっかけは単純でした。神社で御札を買ったものの、適切な設置場所がなかったのです。御札は本来、清浄な場所に丁寧に祀るべきもの。そこで思い切って、リビングに神棚を設置することにしました。

商品選び

現代の住宅事情に合わせた神棚を探していたところ、山崎実業の「石膏ボード壁対応神棚 神具セット」に出会いました。このセットの優れている点は:
• 石膏ボードの壁にも簡単に取り付けられる細い釘を使用
• 取り付け後の穴が目立ちにくい(賃貸住宅でも安心)
• 必要な神具一式が揃っている(榊立て、お神酒を入れる器など)
• デザインがシンプルで現代の住空間にも調和しやすい

設置場所と高さ

設置場所はリビングの壁面を選びました。神棚は「ちゃんと見上げられる高さ」に設置するのが基本。視線より高い位置で、清浄な場所であることが重要です。私の場合は、リビングの東側の壁の高めの位置に設置しました。

実際の設置

設置自体は思ったより簡単でした。付属の細い釘を使用したので、壁への負担も少なく、目立たない小さな穴だけで済みました。石膏ボード用の特殊な取り付け方法で、安定感もあります。

神棚

神棚のある暮らし

神棚を設置してからは、毎朝の簡単な作法を行っています。具体的には「二礼二拍手一礼」の作法です:
1. 二回おじぎをする(二礼)
2. 二回手を合わせる(二拍手)
3. 最後に一回おじぎをする(一礼)
この儀式は一日に一回、朝に行っています。特に劇的な変化はありませんが、心の中で一区切りがつき、気持ちよく一日を始められるようになりました。

御札の数について

御札(おふだ)の数については特に厳密な決まりはありません。一般的な家庭では1〜3枚程度が多いようです。配置としては、中央に氏神様(その土地の守り神)や伊勢神宮の御札を置き、左右に他の御札を配置することが多いです。
大切なのは、あなたが信仰する神社の御札を、神棚のスペースに合わせて無理なく祀ることです。また、御札は基本的に毎年末に新しいものに交換し、古い御札は「どんど焼き」などで焚き上げるか、神社に納めるのが一般的です。

榊について:現代の選択肢

伝統的には神棚には生の榊を供えますが、現代の都市生活では生の榊を常に用意することが難しい場合もあります。近所で榊が売っていない場合、造花の榊を使用するのも現実的な選択肢です。
神道の本質は「清浄さ」であり、きれいに保たれた造花は十分にその役割を果たせます。造花であれば手入れも簡単で、長期間使用できるというメリットもあります。定期的に埃を払うなど、清潔に保つことを心がければ問題ありません。

感じた変化

目に見える変化や特別なことは起きていませんが、毎日のちょっとした儀式を通じて、気持ちに区切りをつけられるようになりました。日本の伝統文化との結びつきを感じられる点も、個人的には価値があると思います。

おわりに

神棚は単なる宗教的なシンボルではなく、日本の伝統文化と日々の暮らしをつなぐ架け橋になっています。現代の住宅事情に合わせた神棚商品が増えていることで、伝統的な価値観を取り入れつつも、今の生活スタイルに合った形で神棚のある暮らしを楽しむことができるようになっています。
御札の置き場所に困ったという小さなきっかけから始まった神棚のある暮らし。皆さんも自分なりの形で、日本の伝統文化を日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。