一盃から始まる、抹茶と緑茶の奥深き世界
~茶道家が紐解く、二つのお茶の物語~
はじめに
風薫る今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。茶道家の石井でございます。お稽古場で最もよく耳にする質問の一つが「抹茶と緑茶の違い」についてです。一見似ているようで、実は大きく異なるこの二つのお茶について、今日は詳しくお話させていただきます。
茶畑から始まる物語
抹茶と緑茶の違いは、実は茶畑から始まります。抹茶用の茶葉は、新芽が出る約3週間前から畑全体を覆いで包み込みます。まるで大切な子供を育てるように、優しく日光を制限することで、旨味成分であるテアニンを豊富に含んだ、贅沢な茶葉に育つのです。
一方、緑茶用の茶葉は、太陽の恵みを存分に受けて育ちます。自然の力強さをそのまま受け止め、深い味わいと爽やかな香りを纏った茶葉として成長していきます。
匠の技が光る製造工程
抹茶づくりは、まさに職人技の結晶です。摘み取られた茶葉は蒸されたのち、丁寧に茎や葉脈を取り除かれます。そして、石臼での粉挽きという最も重要な工程へ。ゆっくりと回る石臼は、1時間でわずか40グラムほどしか挽くことができません。その粒子の細かさは、人の髪の毛の太さの5分の1ほど。まさに、茶葉への深い愛情と忍耐がなければ成し得ない仕事です。
緑茶は、蒸した茶葉を丁寧に揉んでいきます。この工程で茶葉の形を整え、私たちになじみ深い緑茶の姿が生まれていくのです。最後の火入れで香りを調え、おいしい緑茶の出来上がりです。
体に優しい恵みの違い
抹茶は茶葉を丸ごと飲むため、その栄養価は驚くほど豊富です。特に注目したいのは、若々しさを保つ抗酸化成分。緑茶の約2倍も含まれているんですよ。集中力を高めるテアニンも3倍ほど。まさに、昔の禅僧が座禅を組む際に愛飲した理由が分かりますね。
緑茶は、すっきりとした味わいとともに、リラックス効果や口臭予防など、日常生活に寄り添う優しい効能があります。何度も淹れられる利点を活かして、一日中お茶と共に過ごすことができるのです。
味わいの違い
抹茶は、まろやかな甘みと深い旨味が特徴です。泡立てることで生まれるクリーミーな口当たりは、他のお茶では味わえない独特の魅力。一方、緑茶は清々しい香りと適度な渋みが持ち味です。すっきりとした後味は、日本人の心に寄り添い続けてきた理由の一つかもしれません。
お茶の世界への誘い
このように、それぞれ異なる魅力を持つ抹茶と緑茶。特に抹茶は、点てる所作の美しさと共に、より深い日本文化の世界へと私たちを誘ってくれます。
そんな抹茶の魅力を、ぜひ体験してみませんか?GreenTeaTokyoでは、初心者の方でも安心して参加できる茶道体験をご用意しております。季節の和菓子と共に、本格的な抹茶の世界をご堪能ください。
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