3月3日は「ひな祭り」。正式には雛祭り、または「桃の節句」と呼ばれます。
この”桃”という言葉、実はただ季節の花だからという理由だけではありません。古来、日本や中国では桃は邪気を祓う特別な果実と考えられてきました。
桃はなぜ「邪気祓い」の象徴なのか?
中国の古い思想では、桃の木には魔除けの力があるとされていました。その考えが日本にも伝わり、神話にも登場します。
たとえば、古事記。黄泉の国から逃げるイザナギノミコトが、追ってくる黄泉の軍勢に向かって桃を投げ、退散させる場面が描かれています。
つまり、桃は「鬼を追い払う力」の象徴だったのです。
だから桃太郎?
昔話「桃太郎」では、桃から生まれた主人公が鬼退治に向かいます。これも偶然ではないと考えられています。
「邪気を祓う力を持つ桃から生まれた存在だからこそ、鬼を退治できた」――そんな解釈が民俗学の視点からも語られています。
- 桃=魔除け・邪気祓い
- 鬼=災いや穢れ
こう考えると、桃太郎の物語はとても筋が通っているんですね。
ひな祭りの原型は「厄払い」の行事だった
ひな祭りの原型は「流し雛」と呼ばれる厄払いの儀式でした。人形に自分の穢れや災いを移し、川へ流すというものです。
つまり、ひな祭りは本来子どもの健やかな成長と厄除けを願う行事。そこに、邪気祓いの象徴である桃が重なり、「桃の節句」と呼ばれるようになりました。
桃の節句は、やさしい厄払いの日
桃の花は、桜よりも少し早く春の始まりを告げる花。華やかでありながら、どこか凛としています。
3月3日は、美しく飾られた雛人形とともに、見えない厄を静かに祓う日。鬼退治のように勇ましくなくてもいい。桃の花のように、そっと守られる日なのかもしれません。
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